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Ship John Stories  Volume: 06

~Living and breathing Workshops~

マイク・イライアスが独学から始めた、ハンドクラフトによる質の高いレザーアイテムやキャンバス生地を使用するタフなアイテムを展開するシップジョン。創業当初、”ザ・バーン”と名付けた最初のアトリエである納屋からスタートし、次に”インターステート・アベニュー”の工房を経て”マーティンルーサーキング・ジュニア・ブルーバード”のショップへと活動の場を移し、そして現在はポートランドのホットスポットである”ディビジョンストリート”へ拠点を移した。今回はそんなシップジョンの世界観を見事に反映させたワークショップについて話を聞いた。

Mike Elias / マイク・イライアス

全米をワーゲンバスで旅した後、多くのインスピレーションを受けたオレゴン州ポートランドに移住。独学でパターンメイキングを学び、2006年にSHIP JOHNを創業。ブランドの名称は、マイクのホームタウンであるアメリカ・ニュージャージー州に旧くからある、美しい灯台の名から取られている。

 私達のワークショップ(ショールームや工房)は、私達の日々の活動において非常に重要な役割を担っています。感触、香り、音楽。店舗内のあらゆるところに、居場所と雰囲気がなければなりません。人生の多くの時間を仕事に費やすのだから、その雰囲気はそれらの時間を過ごしたくなるものでなくてはならないのです。それは生産性とインスピレーションを高めるために、とても重要なことなのです。私達の店舗は常にそれ自体がひとつの存在であり……、まるで私達のクルーの一員として生きているかのようです。

 

 幸いなことに、私達が長年にわたって入居してきた建物たちには、もともと独自の個性がありました。そのようなキャラクターを生かし、より発展させていくことが、SHIP JOHN全体の美学の一部なのです。創業した当時の小さな小さな納屋から今のショップに至るまで、私達を取り囲むレンガと木の温もりをいつも愛してきました。

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 2021年にMLKの店舗から移る時が来たと判断したとき、幸運にも1922年に食料品店として建てられた美しいレンガ作りの建物に出くわしました。この建物はその後、自動車販売店、さまざまなスタジオ、そして過去25年間はステンドグラス工場として使われてきたのです。ディビジョン・ストリートの南東に位置するこの場所は、私達の顧客や従業員にとっても、ポートランドにおいてより居心地の良い場所でもありました。

 

 最初に建物を見た時の状態は、内部はかなり殺風景で退屈なものでしたが、私はその骨組に可能性を感じました。私はショールームエリアを山小屋のようなイメージにし、お客様を歓迎するような雰囲気にすることを思いついたのです。ショールームにこれほど力を入れたのは今回が初めてでしたが、お客様にも従業員にも、座ってビールや水を一杯飲んでもらえるようなバーを設けるなど、大々的にやってみたかったんです。皆がリラックスできる、ちょっとしたくつろぎの空間です。

シップジョンのワークショップは、元々ステンドグラス工場として使われていたレンガ作りの建物。この場所を皆がリラックスできるくつろぎの場として再構築

ショップに訪れるお客様とシップジョンで働く従業員のために設けたバーカウンター。カウンターチェアの座面にはシップジョンの刻印入り

シップジョンのブランドネームを落とし込んだ舷窓。オレゴンの海岸の船から調達したDIYのディスプレー

 この建物を建てるために使った材料の多くは、他の古い建物から再生したものです。壁の一面には古材の板を使い、天井にはラスやしっくいを再利用しました。パティナ(古艶)のある材料を出来るだけ探し、フロントデスクは8インチ角の梁をチェーンソーとノミでつなぎ合わせて作りました。両開きのドアには、家を改築した際に回収したもみの木を使っています。ブロンズの舷窓はオレゴン海岸の船から持ってきたもので、壁には友人が作ってくれた無垢のブロンズ製の栓を取り付けました。

 

 工房では、店内で音楽イベントをするときにステージにもなるよう、段差のあるレザーショップを作りました。コルクの床は長時間の作業にも快適で、コンサート中の音を和らげる効果もあります。工房の残りの部分は、まだやるべきことがあります。より快適に作業が出来るよう、この場所全体の照明を作り直すことを夢見ています。また、奥の部屋には私専用の作業場があり、小さな金属のアイデアを練ったり、ウェイロンバックパック用のコードロックを作ったりしています。この部屋の照明もいずれアップグレードしたいと思っています。

 

 全体として、この新しいショップは我が家のように感じられ、これからもずっとここに居続けたいと思っています。私達の美学とインスピレーションを新しいショップのために洗練させながら、これまでのすべての店舗からそれぞれの面影を取り入れた、素晴らしいワークショップです。

                                                                  Mike Elias

パティナ(古艶)感溢れる古材を使い、マイク・イライアスがイメージした山小屋のような雰囲気のショールームとなった

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普段はシップジョンのレザーショップとして機能するスペース。ここは音楽イベントのステージになるよう段差のある空間設計となっている

ブランドの美学とインスピレーションを具現化させるシップジョンのワークショップ。この場所から質実剛健なプロダクツが生まれるのだ

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